2010年6月22日火曜日

7/25 ドイツ生産者来日イベント

ドイツのリースリング生産者のスペシャルランチイベントのお知らせです。

<注意!> このイベントはRiesling Ring 主催ではありません
       参加申し込みは、主催者に直接お願いいたします。

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Hilton Tokyo & Tokuoka present “Wine Maker’s Special Lunch”

ドイツ新時代ワインと和の邂逅



― 雄大なライン川のほとりより <オッテス醸造所> ―



70年代、その生産量の70%が甘口であったドイツワインも、今や新世代の生産者達によって辛口へと大きくシフトしています。

そんな中、牧歌的な風景が広がるラインガウ北西端ロルヒ村で、雄大なライン川を見下ろす南向き斜面から秀逸なワインをつくり出している小さなワイナリー 
~オッテス醸造所~ があります。


現在は2代目であるヘルムート氏が畑を切り盛りし、3代目のゲーラルド氏と、ガイゼンハイム大学にて共にワインを学び、和食とドイツワインのマリアージュを提案するオッテス史子夫妻が2人3脚で醸造を担当しています。






日本料理「武蔵野」では、このワイナリーより醸造家であるオッテス史子氏をお招きし、新時代のドイツワインと和食との饗宴をお楽しみいただけるスペシャルランチをご用意いたしました。
清潔感漂う辛口リースリングを中心に、注目される赤、貴腐ワインなどをご賞味頂きます。

現地で和食との相性を研究する生産者のお話を交えながら、涼やかさあふれるドイツワインを、料理長自慢の品々と共にご堪能ください。



【ワインリスト】(予定)
2007 オッテス リースリングゼクト (発泡性)
2008 オッテス リースリングカビネット (辛口)
2008 オッテス アウラムリースリング (辛口)
2007 オッテス シュペートブルグンダー(赤)
2007 オッテス ベーレンアウスレーゼ(貴腐・蔵出し品)

【ランチメニュー】
先付
帆立貝と茸香草の味わい
丸茄子の田楽風
季節野菜天婦羅
黒毛和牛サーロイン焼き野菜添え
ガーリックライス・味噌汁・香の物
杏仁豆腐

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●日 時: 2010年7月25日(日) 12:30pm (ご入場 12:00noon)

●会 場: 日本料理「武蔵野」 (ヒルトン東京2F) 
〒160-0023東京都新宿区西新宿6-6-2  

●料 金: お一人様10,500 円 (税金、サービス料が含まれております) 

●定 員: 24名様 (先着申込み順、定員になり次第締め切りさせて頂きます)


<ご予約・お問い合わせ>

ヒルトン東京 日本料理「武蔵野」
TEL:03-3344-5111(内線 337) Musashino.Tokyo@hilton.com

協力  ㈱徳岡 東京営業所 TEL:03-5793-7211 

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7/24 ディナーイベント <リースリング&甲州>

ドイツのリースリング生産者と日本の生産者のディナーのお知らせです。

<注意!> このイベントはRiesling Ring 主催ではありません
       参加申し込みは、主催者に直接お願いいたします。

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日本固有品種「甲州」国際登録記念

『世界の白ワイン 甲州 & リースリングの魅力を味わう』


日本が誇る甲州       山梨県・勝沼町    グレイスワイン

ドイツが誇るリースリング  ドイツ・ラインガウ  オッテス醸造所



日本とドイツにおいて、土地の気候風土に根付き、歴史を重ねきた品種があります。
産地と品種個性を表現する生産者には、国境を越えても、互いに共通の思想と哲学があります。
そのワインの魅力を更に高めるパートナーは、ル・ペルゴレーズのフランス料理。
ワインに対する既成概念を超える、日独仏のスペシャル・コラボレーションが実現します。

生産者代表として、グレイスワイン社長三澤茂計氏と、オッテス醸造所 オッテス史子氏をお迎えし、生産者との会話を交えながら、盛夏のひと時の食卓を彩る、涼やかさ溢れる甲州とリースリングを中心に赤ワイン、貴腐ワインなどを、ル・ペルゴレーズ自慢のお料理と共にご堪能ください。


三澤 茂計

中央葡萄酒㈱4代目社長。
82年に家業を継ぐと同時に甲州を世界レベルのワインとすべく、栽培、産地、醸造方法の見直し等を精力的に推進すると共に、国際的な評価を高める諸活動も積極的に行っています。





オッテス 史子

3代目のゲーラルド氏と共に、ガイゼンハイム大学にてワイン造りを学び、2人3脚夫妻で醸造を担当しています。
現在はガイセンハイム大付属研究所に勤務し、和食とドイツワインのマリアージュを提案する活動にも従事しています。


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●日 時: 2010年7月24日(土) 6:30pm (ご入場 6:00pm)

●会 場: 「ル・ペルゴレーズ」フレンチ・ダイニング (ヒルトン東京2F) 
〒160-0023東京都新宿区西新宿6-6-2  

●料 金: お一人様15,000 円 (税金、サービス料が含まれております) 

●定 員: 50名様 (先着申込み順、定員になり次第締め切りさせて頂きます)

<ご予約・お問い合わせ>
ヒルトン東京 「ル・ペルゴレーズ」フレンチ・ダイニング
TEL:03-3344-5111(内線 325) LePergolese.Tokyo@hilton.com


協力  中央葡萄酒㈱ TEL:0553-44-1230
㈱徳岡 東京営業所 TEL:03-5793-7211

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ドイツへワインとワイナリーの研修を終えて【後編】

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ドイツへワインとワイナリーの研修を終えて

                           by  『一宝 天寅』  関 順
【後編】

ブロイヤーでお昼ご飯を御馳走になったあと、シュロスヨハネスベルグを経て、
カウターというワイナリーを訪れた。 

赤い皮のリースリングを造っている変わり種と事前に知らされいたが、小さなそのワイナリーに入っていくと、まさに風変わりなウエルカム・ゼクトでもてなしを受けた。
グラスの上にホワイトチョコレートが乗せられて供出されたそのゼクトはチョコレートリキュールを添加したゼクトだった。
私自身のコメントや他の参加者のコメントはひかえるが、みな十分大人で、興味深い表情を崩さなかったのはさすがヨーロッパの文化性だと感じた。

その日の夕食はカウタ―氏のワインのティスティングと同時進行で用意して頂いたが、なんと15種類 にも上るワインで、私の技量の範囲を超えてしまったいた。
思い出せるのは赤のリースリング は、ゲオルグブロイヤーの「ジュー」を彷彿させるものであったことと、最後に出てきたカベルネ ソーヴィニオンは深みや凝縮感に欠けたもので、その前に飲んだシュペートブルグンダーに比べる と満足感にかけるものであったことである。

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翌27日は最終日ということもあり、カウタ―氏訪問のあとは10名くらいでホテルのバーで打上げ(?)をすることになった。
前日から3班に分かれていたこともあり、我々のグループは 北欧諸国からのメンバーが10名程度、スペイン人2人、我々日本人という構成だったが、みんな 明るく社交的であったので楽しく、興味深い会話が楽しめた。

先ほどのデンマーク人が嬉しそうに サンブッカとアマレットを私のためにオーダーしてくれた。 丸4日間リースリング漬けの体には 初体験のサンブッカとアマレットは少々大変な飲み物ではあったが、時間をかけながらも最後まで 飲みほした。 

彼らEUで活躍中のソムリエたちとの短い交流で感じたのは、多少の個人差はある ものの、総じて彼らのレベルは高く、我々はかなり遅れているのだということだった。
これは私個人の経験、知識、技量の不足が原因であるが、EU内ではワインの価格も安く、また歴史的 文化的にもワインが深く人々の生活の中に密着しているということに起因すると思う。

今更議論 することではなく、また当然の話ではあるが、このことは日本人ソムリエだけのワイナリーツアーでは あまり感じることのないコンプレックスだと思った。
 
また彼らの多くは国境を超えて活躍の場を求めて おり、当然数カ国語を話すことができ、プレゼンテーション能力も非常に高い人が多い。

私のような底辺を構成するソムリエがもっとレベルアップしなければいけないと強く感じさせられた。
とにかく、この日は深い眠りに落ちそうになりながらそのようなことを考えた(ように思う)。

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最終日は朝からナーエ地区、ディールに向かう。 
マインツからでも30分ほどで到着した。



小さいながらも洗練されたワイナリーの建物の印象から、自然とワイン自体への期待も高まった。
すぐ裏手の庭に案内され、そこでモーゼル地区へ訪れていたグループと再合流した。 

歴史を感じる 建物と現代風の建物、よく手入れされた芝生の庭でもてなされたゼクトはコメントの必要が無意味なほど 素晴らしかった。

ほどなくして始まったティスティング・セミナーで提供されたリースリングは期待通り 垢ぬけた、すっきりとしたワインであった。 スタンダードクラスから格上のものまで総じて品のいい バランスの良いワインが造られていた。

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ディール訪問が終わると我々を除くすべての参加者が空港に向かった。 
我々二人はそこからラッツェンベルガーを訪ねた。 

ゲオルグブロイヤーの畑もディールの畑も 足を滑らしそうになるほど勾配がきつく、「手伝ったらしんどいだろうなぁ」と感じていたのだが、 バハラッハ村の入り口あたりから見えた、壁にも見えるぶどう畑をみて絶句した。 
(または ぶどう畑に見える「何か別のもの」かとさえ思った) 



近づけば近づくほどそのぶどう畑はまさに 崖そのもので、その時点ではそれがラッツェンベルガーの畑かどうかもわからなかったのだが、ぶどう 栽培の北限に近いところでのワイン造りの厳しさというものを感じた。

やがてラッツェンベルガー 氏の案内で、それらの畑がやはり彼の所有する畑であることが分かったのだが、斜面の下から みた畑より、上側から見下ろしたその畑はさらに急な斜面だった。
足を踏み入れてみようにも 余りに斜度がきつく、落ちたらケガをしそうな斜面の上では足がすくむ思いだった。

反面、丘の上から見下ろすライン河の美しさは形容しがたいものだった。



紀元前からローマ人に よってワインが造られていたというラッツェンベルガー氏の説明には、彼のその村への愛情の深さと 誇るべきバハラッハ村の歴史に対する敬意を含んだものであった(ように思う)。


ティスティングは我々二人だけのために行われた。

QBAのクラスから始まったティスティングは さすがにどれも素晴らしいものであったが、ひとつだけ、生意気にも、ラッツェンベルガー氏の考えに 反対の意見を持った。

グローセスゲヴェックスのリースリングは06年と08年が供出されたのだが、 氏は06年のほうがテロワールを反映した、より完成に近いものだと言うのだが、私には 08年のもののほうが若いワインらしいしっかりとし酸と高い果実の凝縮感のバランスが「分かり やすい」と感じた。
日本では高価なワインとなるグローセスゲヴェックスをより多くの人に評価 してもらうには若いうちに飲んでしまったほうがいいと、全く素人的なことを申し上げてしまった。
失礼と思いながらも、その考えは訪問以前から変わっていなかったので、申し上げることにした。




夕食は奥様の手料理をお庭で頂戴した。 

1971のシュペートレーゼ・トロッケンから始まったのだが、 これは全く期待もしていなかったサプライズだった。 正直なところガイゼンハイム大学で飲んだ 1946よりも状態も良くうっとりするほどの味わいで、まだまだ若さと気品を感じさせるリースリング の奥行きの深さに驚かされた。

その後奥様と二人のお嬢さんが少しだけ顔を見せてくださった。 ラッツェンベルガー氏のご両親も御健在で、お二人も少し前にお顔を見せてくださった。

そういえば、 夕食の最初の71年のリースリングはお父様の作品なのだなぁと気づく、自分の頭の鈍さを恥ずかしく思った。ドイツでも3世代の同居はあまり多くはないらしく、ラッツェンベルガー家は特別だと別のドイツ人からきいた。 

造り手の優しさがワインにも滲み出るのかなと思った。


(完)

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関さん、素晴らしいレポートをありがとうございました。


2010年のバイザグラスキャンペーンにおいても、上記のようなドイツ研修ツアーが、優秀店(ドイツ賞)の代表者2名に贈られる予定です。

ドイツ研修ツアーを目指して、ぜひ頑張ってください!

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2010年6月21日月曜日

ドイツへワインとワイナリーの研修を終えて【前編】

2009年の リースリング バイザグラスキャンペーンでは、優秀賞を獲得した2店に、ドイツ研修ツアーが贈られました。

WWワールドワインバー&ビストロ (東京都千代田区)

一宝 天寅 (大阪府大阪市)

2010年4月23日(金)~28日(水)に実施されたツアーに参加された『天寅』の関さんから、ツアーのレポートと写真が届きましたので紹介します。

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ドイツへワインとワイナリーの研修を終えて

                           by  『一宝 天寅』  関 順
【前編】

アイスランドの火山の大噴火があった影響か飛行機は予想通り満席で、ヨーロッパは遠いとは聞いていたもののフランクフルト空港に到着したときはすでに随分と疲れていた。

とはいえ、初めてのドイツで、しかも初めてのワイナリー研修で(個人的なワイナリーへの訪問はあるけれども・・・)、緊張感を伴うワクワクした気持ちでホテルへのバスへ乗り込んだ。



ホテルでのミーティングの場所には多くのヨーロッパの若いソムリエたちが自信に満ちた笑顔で談笑していた。 50人ほどはいただろうか。
アジア人は我々日本人二人をいれても3人だけで、もう一人の彼はカナダで育った台湾人でロンドンで活躍中とのことであった。
とにかく、少し気後れしそうな自分を叱咤せずには笑顔を保つのは難しかった。


歴史的な醸造所というクロスターエーベルバッハは宿舎となったウィズバーデンのホテルから車で約30分ほどだった。

空港からホテルへ向かう車中でも感じたことではあったが、ドイツという国はいかに自然が多く残る美しい国であることにまず驚いた。



醸造所から畑を通してライン河を望むと、そこには大きな近代的建物は見当たらず美しい夕日が時間の流れをゆっくりとしたものにしていた。
少しオーバーな表現になるが数百年前からのそこでの人々の営みが感じられるようでさえあった。 

しかし、醸造所内は一転して近代的な醸造設備がならび、コンクリートの打ちっぱなしの建物は近代ドイツ的な無駄のない機能美を感じた。地下に配置された圧搾場とステンレスの大型タンクは集荷されたぶどうが重力に逆らわずに運び込まれる為のもの、ぶどうにストレスがかからないということであった。なんとも贅沢な造りに見えた。

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翌日は朝からガイゼンハイム醸造大学でのドイツワインの今後のマーケティングのレクチャーで、ヘンドリック・トーマ氏(ハンブルグのマスターソムリエ)による数時間にわたるティスティング・セミナーが行われた。 

マーケティング戦略の講義は過去におけるドイツワインの「輸出戦略の失敗」(甘口カジュアルワインへの偏り)と「ワインや産地の名前の難しさ」に対しての解についてのものであった。 

内容的には特に新しさを感じなかったが、ドイツ人のコミュニケーションのうまさとプレゼンテーションのうまさは意外なほどで楽しい講義であった。
(もっと生真面目な内容のものを覚悟していたのだが、さすがEU、コミュニケーションに長けていた)

トーマ氏の進行は痛快で見事だったと思う。
まず最初の8種類は「産地ごと」というタイトルではあったものの、ピノグリ、シャルドネを含めた非常にレベルの高い白ワインを紹介するものであった。クリーンでスタイリッシュなワインも見られ、和食や日本人の好みに合いそうなバランスのいいワインが多く紹介された。 



第2部は「リースリングの熟成のポテンシャル」についてで、一番古いものは1946年のシュペートレーゼ・トロッケンがテイスティングに提供された。

第3部は「赤ワイン」をテーマのものであったが、ここでもドイツの赤ワインのレベルの高さを再確認 することが出来た。あくまでヨーロッパ的で、個人的には少しクラシックなタイプのボーヌのワインを 連想させるようなものが多く、好印象であった。
ここでもやはり日本人の嗜好に合うであろうと感じた (特に和食とのマッチングについて)

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翌25日はVDPの見本市に参加した。 

ライン河のほとりに建つ近代的な建物はウィズバーデンの街並とは少し違ったもので、「近代的な国・ドイツ」を感じるものだった。
早速にも目当てのラッツェンベルガーのブースを訪ね、リースリングのカビネットからその日のテイスティングを開始した。

リースリング主体にティスティングをし続けたこともあり、ひとつずつの蔵の個性を自力で見極めるのは困難であった。しかし、いずれの蔵も商品のレベルは高く、モーゼルの生産者たちは繊細なバランスの上質なリースリングを出品していたし、ラインガウはモダンな辛口リースリングを多く出品しており、非常にいい経験をすることが出来た。

その後、ラインガウやアールの生産者のブースを訪ねると、ボディに厚みのある長期熟成型のシュペートブルグンダーからミディアムボディーながらとてもエレガントなものまで試飲できた。

赤ワインの生産者たちをフレンドリーで親切であったという記憶する一方で、彼らは自信味満ち溢れ、また消費者に迎合する雰囲気は少なく、「おれたちは信念に基づいてワインを造っているだけだ」とでも言っているかのような印象であったように感じた。
前々日に訪れたクロスターエーベルバッハの醸造所の人たちとは少し違う。「人間臭さ」を感じたといえば 言い過ぎだろうか。



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翌26日は待望のゲオルグ・ブロイヤー訪問だった。 

バスを途中で降り、古い町並みを抜けて、小さなおもちゃのようなゴンドラに乗ってリューデスハイムの丘の上まで行くことになった。
幸いにも好天に恵まれ、ゴンドラから見るぶどう畑と古い町並みの風景は素晴らしいものだった。

ゴンドラの終点から10分ほど歩いてブロイヤーの畑まで行くのだが、道の途中でデンマークのソムリエが道端の木の葉っぱをちぎって食べだした。背は190センチくらい、スキンヘッドの男性である。
彼は私にもその葉っぱをさしだし、食べてみろとすすめた。木の名前は記憶出来なかったが、彼曰く、その葉は春のその短い期間のものだけはサラダに使えるのだという。

その後もぶどう畑の中のハーブを取っては私にすすめてくれた。 
恥ずかしながら大阪生まれ大阪育ちの私は雑草とハーブの違いが見極められず、食に携わる者として気恥ずかしい感じがした。




ブロイヤーの畑はほぼビオロジックで行われているという事だった。

根拠もなく「ブロイヤーは大きなワイナリー」と思いこんでいた私は、手入れの行き届いたぶどう畑やとても近代的とはよべない醸造所をみて、すこし驚いた。
地下セラーもあまり大ぶりなものではなかったが、あの洗練された味わいの辛口リースリングが醸されるのかと思うと驚きはさらに大きなものとなった。

ティスティングを通してトレサ・ブロイヤーさんの話を聞くこと出来たが、地域に密着しながらも常に革新的に、かつ将来にむけて全て新しいの可能性に挑戦する、ワイナリーとして、醸造家としての姿勢に尊敬の念を覚えた。
今後は考え方を変えてブロイヤーを楽しもうと思った。



【後編】に続く


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2010年6月10日木曜日

【報告】5/31 Riesling Ring Dining [後編]

~ロバート・ヴァイル醸造所&フランクランド・エステートを迎えて~
     世界のリースリングと京懐石 《柿傳》 が誇る和食の饗宴


ヴィルヘルム・ヴァイル氏
(ロバート・ヴァイル醸造所、独)
ハンター・スミス氏 (フランクランド・エステート、豪州)を迎え、

彼らのリースリングと他国のリースリングを飲み比べ ながら、
京懐石「柿傳」の料理を楽しみました。



ヴィルヘルム・ヴァイル氏      ハンター・スミス氏

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まずは、ロバート・ヴァイル醸造所のスパークリングワインで乾杯!




Robert Weil SEKT b.A. Extra Brut 2006
ロバート・ヴァイル ゼクト b.A. エクストラ・ブリュット

(ドイツ/ラインガウ)

自社畑の厳選したぶどうを使用。瓶内二次醗酵方式で、ルミュアージュ(動瓶)も職人の手で行うというこだわり。美しさをも感じさせる、魅力あふれるリースリングのゼクト(スパークリングワイン)です。

[辛口] アルコール度数:12.9% 酸度:6.8g/L 糖度:3.8g/L

「ラインガウの冷涼な気候により生育期間が長くなり、酸を保ち、ミネラル豊かで、エレガントなものとなります。 このゼクトは限定醸造のため、なかなかお目にかかれないかもしれません」 とヴァイル氏。
ドイツのトップレストランでサービスされているようです。

輸入元:株式会社ファインズ

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FRANKLAND ESTATE
      Isolation Ridge vs Poison Hill


同一生産者、同一生産年の “単一畑違い”の飲み比べ



Frankland Estate Isolation Ridge Riesling 2009

フランクランド・エステート アイソレーション・リッジ・リースリング2009
(豪/西オーストラリア/フランランド・リヴァー)


鉄分を感じるフリンティさと、フローラルな香りを持つワインです。口当たりは柔らかく華やかですが、しっかりと個性を主張。灌漑せずにオーガニック農法で畑の特色を出しています。

[辛口] アルコール度数:12% 総酸:6.3g/L

「ワイナリーのある土地の畑がアイソレーション・リッジで、土壌は鉄分を含むコーヒー色をしています。その鉄分が味わいに反映されています」 とスミス氏。




Frankland Estate Poison Hill Riesling 2009
フランクランド・エステート ポイゾン・ヒル・リースリング2009
(豪/西オーストラリア/フランランド・リヴァー)

フランクランドの町のはずれにある北向きの畑からのワイン。繊細ですが凝縮した風味があり、豊かなミネラル感、クリミーで滑らかなテクスチャーと共に長い余韻が楽しめます。

[辛口] アルコール度数:11% 酸度:6.7g/L

「こちらは鉄分を含まない土壌で、アイソレーション・リッジよりもやわらかさがあり、フローラルな風味のあるワインができます」 とスミス氏。

輸入元:ヴィレッジ・セラーズ株式会社 (上記2本とも)

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ニューワールド
       ニュージーランド vs アメリカ


伝統国ではない国のリースリングを飲み比べてみました



Daniel Schuster Waipara Riesling 2007

ダニエル・シュスター ワイパラ・リースリング 2007
NZ/ノースカンタベリー地区/ワイパラ)

世界的にも注目を集めているワイナリー。白桃等を連想させる味わいが印象的です。新鮮で自然なアロマやフレーバーを活かすために発酵させていない果汁をブレンドして瓶熟しています。
*在庫限りで終売の貴重品です

[やや辛口] アルコール度数:10.7% 酸度:6.6g/L 糖度:17g/L

輸入元:株式会社飯田




Ste.Michelle Wine Estates
Chateau Ste.Michelle Columbia Valley Riesling 2008

サン・ミシェル・ワイン・エステーツ
シャトー・サン・ミシェル・コロンビア・ヴァレー・リースリング 2008
米/ワシントン州/コロンビア・ヴァレー)

香り豊かなこのワインは、コロンビア・ヴァレーのリースリング種の特徴をよく出しています。白桃やりんごなどの爽やかな香りと、フレッシュで長い余韻が楽しめます。

[辛口] アルコール度数:12% 総酸:7.0g/L 糖度:5.9g/L

輸入元:サッポロビール株式会社

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伝統国 
     オーストリア vs フランス


長い歴史を持つ伝統国のリースリングの味わいの違いは?



Leon Beyer Riesling 2008

レオン・ベイエ リースリング 2008
フランス/アルザス/エギスハイム)

輝きのあるレモンイエロー。エレガントなミネラルのブーケと豊かなミネラル感を備えます。アルザスの教皇「レオン・ベイエ」の最高にドライで男性的なワインです。

[辛口] アルコール度数:12.5% 酸度:8.74g/L 糖度:1.7g/L

輸入元:三国ワイン株式会社




Rudi Pichler Riesling Smaragd Terrassen 2007

ルーディー・ピヒラー リースリング スマラクト テラッセン 2007
オーストリア/ニーダーエステルライヒ/ヴァッハウ)

ルーディのワイン造りの基本は、「完璧なぶどう」を育てること。健全なぶどうのみからのエレガントな味わいを追求していて、テロワールが明確に表れています。テラッセンはテラスの複数形。つまり急斜面のテラス状畑からのワインです。

[辛口] アルコール度数:12.5% 酸度:6.7g/L 糖度:1.4g/L

輸入元:有限会社ヴォルテックス

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スパークリングワインに始まり、辛口~やや辛口と楽しんできましたが、
リースリングには、食事の最後を飾る甘口ワインもあります。



Robert Weil Riesling Spatlese 2006

ロバート・ヴァイル リースリング・シュペートレーゼ 2006
(ドイツ/ラインガウ)

透明感を感じさせる美しい酸味と、見事な凝縮感を備えています。ヴァイルならではの個性を十分に楽しめる出来栄えのワインです。

[甘口] アルコール度数: 8.0% 酸度:9.0g/L 糖度:116.3g/L

このシュペトレーゼは、11月頃に収穫した遅摘みタイプ(レイトハーベスト)。
貴腐菌は付いていません。

輸入元:株式会社ファインズ

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今回は 世界6カ国、8種類のリースリングワインを味わっていただきました。

ワインのご協力をいただきました、Riesling Ring Club会員でもあるインポーター各社の皆さん、ありがとうございました。


ヴァイル&スミスの両氏、有坂芙美子 Riesling Ring 会長、お疲れさまでした!

お気に入りのリースリングワインが見つかりましたか?
和食とのマリアージュで新しい発見はありましたか?

Riesling Ring では、今後もこうした様々なイベントを企画していく予定です。
ご意見やご要望がありましたら、ぜひお気軽にお寄せください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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2010年6月9日水曜日

【報告】5/31 Riesling Ring Dining [前編]

Riesling Ring が 2010年5月31日に開催いたしました、
生産者2組を迎えてのディナーのレポートをお届けします。

ますは、会場となった 京懐石 「柿傳」 のお料理から紹介します。

新宿駅中央東口を出てすぐに店を構える「柿傳」は、
作家の川上康成氏の言葉がきっかけとなって開業したという、
非常に格式の高い京懐石の店です。




「柿傳」の文字は川上康成氏の直筆!



今回は、リースリングワインに合わせて料理長に考えていただきました。

≪お献立≫


<先付>
汲み湯葉 アスパラ
車えび 蒸し帆立 
割醤油











<向付>
鯛 勘八 
山葵 防風













<八寸>
妙姜寿司 
小鮎唐揚 天豆
丸十 穴子八幡巻











<煮物椀>
海老そぼろ真蒸
木耳入り 木の芽
ツル菜 椎茸












<焼き物>
甘鯛柚庵焼 青唐
はじかみ












<炊き合わせ>
南京 小芋 
蛸柔煮 木の芽 
オクラ











<食事>
生姜雑炊

<香の物>
柴漬 沢庵 胡瓜









<フロマージュ>
本間るみ子Selection

(右から時計回りに)

モンゴメリー・チェダー(ハード、英)

マンステール
(ウオッシュ、仏)

クロタン・ド・シャヴィニョル(シェーブル、仏)






<菓子  抹茶>

くずきり














京懐石 柿傳   http://www.kakiden.com/


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生産者を囲み、なごやかな雰囲気の中でお料理とワインを楽しみました。
ご参加の皆さま、ありがとうございました。



(左から)

ハンター・スミス氏
(フランクランド・エステート、豪州)

安田眞一氏
 (「柿傳」三代目)

有坂芙美子 Riesling Ring 会長

ヴィルヘルム・ヴァイル氏
(ロバート・ヴァイル醸造所、独)


素晴らしいお料理をご用意くださいました「柿傳」の安田社長、
多大なるご協力をいただき、深くお礼申し上げます。


[後編]では、ディナーに登場したワインを紹介します。
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